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COLUMN
連載

芳川庸のタンザニア野球紀行

第1回 タンザニアへの道、そしてタンザニア甲子園!

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成田空港出発。不安しかない状態。


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ダルエスサラームの空港で。不安はすでに解消されてます!


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JICAの企画調査員、秦英進さんにサポートしていただいてます


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タンザニア甲子園決勝戦


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最後はお互いの健闘を称え合い、礼!


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タンザニア甲子園を作った「アフリカ野球友の会」の友成晋也代表と

 みなさん、こんにちは。ジャイアンツアカデミーのコーチを務めている芳川庸(ちから)です。

 今回、読売巨人軍と独立行政法人国際協力機構(JICA)が2015年に締結した連携協力協定に基づいて、野球の普及と青少年の健全育成を目的として、タンザニアにコーチとして行くことになりました!「え、タンザニアってどこ?」から、始まった今回の旅。慌てて、調べました。アフリカ大陸です。そりゃ、ピンときません。なんたって、僕は海外で行ったことがあるのは、シンガポールと台湾だけですから。

 ケニアの南に位置する国であることがわかり、そして調べれば調べるほど、そこに出てくるのは広大な草原と、チーター? 野生動物の写真ばかり。本当に野球を教えられるんでしょうか・・・。元首都で、国内最大の都市であるダルエスサラームが目的地なのですが、さて、僕は大丈夫なのでしょうか・・・。

 時差は6時間、ドバイ経由で21時間もかかるフライトで、たった一人で辿り着かなければならないと言われれば、不安しかありませんでした。

 渡航のための予防接種、行程の確認・・・不安は募り続けるばかりでも、その時はやってきました。日本時間の12月2日午前0時半に成田を飛び立ちました。でも、ここはやっぱり男ですから。きっちり、辿り着きましたよ。飛行機にちゃんと乗れれば着きますからね(笑い)。現地時間の3日、午後2時45分にダルエスサラーム到着です!

 なんて、簡単に言ってはみたものの、実はすでに飛行機の中で最初の壁にぶち当たりました。入国のための書類です。ドバイで乗り継ぎ便に乗ったはいいのですが、最初に手渡された白い紙。これに目がくらみました。5時間半のフライト、最初の2時間はこの白い紙とにらめっこ。英語で書いてあるので、それを訳して必要事項を書けばいいんですが、間違って書いてしまったらどうしようと、パスポートと書類を交互に見続けて、最後は力尽きました。「もうダメだ。入国できない」。

 到着してもちっともうれしくありません。入国審査の書類が出せなければ、外に出られません。当たり前のように、日本語が通じません。公用語はスワヒリ語。本当に泣きそうになった次の瞬間、僕の目に神の姿が見えたのです!「JICA」の看板を持った人の姿が!

 今回お世話になるJICAの所員さんに出会い、書類書きのお手伝いをいただき、無事に入国できました!一気にテンション上がりました!これからの野球指導を心待ちにしている自分がいました。野球好きな人間って、こんなものです。(笑い)

 ホテルまで公用車でエスコートしていただいたんですが、街並みにビックリ。20階以上の高層ビルがあり、都会です。草原の世界ではありません。気持ちよく乗車していましたが、やっぱり驚きは続きます。「動くスーパーマーケット」のお出ましです。日本では到底あり得ない、通行中の運転手に対する商品の売り込み。歩いている女性たちも、モノを頭に乗せて運んでいます。アフリカに到着したことを実感しました。

 食事を兼ねて、JICAの所員である辻本誠さんからタンザニアの子どもたちについて色々とお話を伺いました。聞けば聞くほど、指導できることが楽しみになってきました。そして長かった初日を終えて、ホテルのベッドに倒れこみました。

 「コケコッコー!」時刻は5時半。まさか、ニワトリに起こされるとは・・・。これで、寝坊はしなくて済みそうです。(笑い)タンザニア2日目の始まり。時差ボケが気になっていましたが、身体は何の問題もありません。ピンピンしています!

 今日は、「タンザニア甲子園」の視察日です。何だそれ?ですよね。タンザニアで行われているセカンダリースクール(日本で言うところの中学、高校です)の学生たちの野球トーナメント大会です。JICAの方々だけでなく、一般企業の方やNPOの方なく、多くの日本人の方々の尽力で出来上がった大会です。タンザニア国内の10チームが頂点を競いあう戦いで、この日が決勝戦でした。

 白球を追いかける選手たち、ダイヤモンドを全力で駆ける選手、仲間のプレーに対して、まるで自分のことのように喜びを爆発させるチームメート。チーム一体となって応援するベンチ。自分の想像を超えた世界がそこにはありました。驚きを通り越して感動している自分がいました。なぜこんなにしっかり出来ているのか・・・。

 「アフリカ野球友の会」を設立された友成晋也代表にお話を伺いました。この友成さんが「タンザニア甲子園」を作った人なのです!!

 話の中で「ディシプリン(discipline)規律、鍛錬」「リスペクト(respect)尊敬」「ジャスティス(justis)正義」という言葉がよく出てきました。これは、「タンザニア甲子園」のスローガンです。日本の野球道に深く関わるこの3つの言葉を、技術以上に伝えて人間的に成長させようという狙いが込められています。だから名称も「甲子園」を使っていたんです。

 写真の通り、試合終了時には、両チームが整列をして挨拶をしていました。これこそがタンザニア野球なのです!「タンザニアベースボール」ではなく、「野球」。私が感動した理由がそこにありました。

 視察後、夕食を食べながら翌日からの打合せを行ったのですが、またまた驚きです。なんと、タンザニアでJICAに携わってらっしゃる方々が、僕の昔からの知っている方々だったのです。高校時代、よく対戦をしたチームの監督さんや高校の後輩に当たる方など・・・ビックリですね。世間は狭いなと感じました。

 野球指導のため話し合っていたら気がつけば約3時間も経っていました。みなさん、とても熱い方ばかりで丁寧に今のタンザニア野球について教えていただきました。本当にありがとうございます。

 いよいよ本格的に指導が始まります!JICAのみなさんの熱い思い、そしてタンザニアの子どもたちの期待に応えられるよう精一杯活動していきたいと思っています。

 ちなみに、食事に苦労しないというのも、ちょっとした驚きです。日本でも良く見る、外資系のファストフードのサンドイッチ屋さんやピザ屋さんがあります。そして、中華料理もあって、「どんなものを食べるのだろう」と恐れていた自分を笑ってしまうほどです。

 夜も更けてきました。朝の自然の目覚ましが楽しみです!「コケコッコー!」(笑い)

ジャイアンツアカデミーの芳川庸(ちから)コーチが、アフリカのタンザニアを訪れ、、野球指導などを行うことになりました。今回の指導は、読売巨人軍と独立行政法人国際協力機構(JICA)が2015年に締結した連携協力協定に基づいて、野球の普及と青少年の健全育成を目的としたものです。12月3日から7日の5日間にわたる現地滞在で、芳川コーチが見たもの、感じたことを「タンザニア野球紀行」として5回にわたってコラムで紹介します。