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COLUMN
連載

田中大二郎が行くタイ野球紀行

第2回 タイでの指導開始

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ユニホームを気に入ってくれました


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スクールで初めて会った子どもたちと一緒に


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バスでグラウンドに向かいます


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JICA隊員や現地スタッフと食事
ナショナルチームの選手も(一番左)


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現地の食事には慣れてきました


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この日の夕食で一番だったのは
川魚を揚げたもの(一番手前)


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バナナ焼き1串35円!安い

  こんにちは。田中 大二郎です。

 今日からいよいよ指導です。バンコクから車で約2時間かけてスパンブリー県へ。高層ビルの立ち並ぶ都会のバンコクから、20分も車を走らせただけで、見える景色はガラリと変わりました。のどかな農村風景が広がりました。

 到着したスパンブリー・スポーツ・スクールは全寮制の中高一貫校で、さらに大学も併設しているため敷地が広い。サッカー場や陸上競技場、セパタクローのコートや屋根付きプールなど屋外施設だけでなく、テコンドー場、体操競技場といった屋内環境も整っています。

 でもどんなに遠くまで見渡しても、ないのです、野球のグラウンドが。敷地内にはありませんでした。野球グラウンドだけは、車で約20分離れたところにありました。子どもたちは授業が終わるとバスに揺られて、移動をしてました。この事実だけでも、タイの野球人気があまりないことがわかります。サッカー、バドミントン、バレーボール、セパタクローが人気なんだとか。ちょっと寂しい気持ちになりました。

 グラウンドに到着し、まずはお土産で持参したジャイアンツのオレンジユニホームと野球用具の贈呈です。野球用具は、「世界の野球グローブ支援プロジェクト」の活動として、一般の方々からの寄付でいただいた中古のグローブなどです。子どもたちは喜んでくれて、すぐに着替え、野球用具を手にしていました。

 「では、いよいよ指導!」と意気込んだ矢先、突然のスコール。大雨で、あっという間にグラウンドは使えないくらいの状態になったため、急きょ、近くにある屋根付きのテニスコートで練習する事になりました。

 この日の指導内容は、野球の基本でもあるキャッチボールと守備練習としました。

 ここにいる中学1年から高校3年までの生徒たちに加え、ナショナルチームの選手も加えて総勢40人弱。みんな野球経験者なので、もちろんキャッチボールはできているんですが、なんだかぎこちない。そこで、普段ジャイアンツアカデミーで教えている基本の部分である、腕の使い方、上半身の使い方、体重移動と、キャッチボールの動作を細かく分けて教えました。「ヌン、ソーン、サーム(1、2、3のタイ語)」と口にしながら、なんだか楽しそうにやってます。こういう練習をしたことがないので、興味を持ったみたいです。

 本当に純粋な子どもたちで、「なんでこんな練習する必要があるんだよ」なんて顔している子は一人もいません。逆に「この練習をしよう」と言うと、同じ練習をひたすら繰り返してくれるので、こちらがストップをかけなければこの時間が永遠に続く、という感じです。

 環境と指導者が整っていないということも、こちらで野球がメジャーなスポーツになっていない理由だと思います。でも、かといって、野球に適する人材がいないか、というと、もちろんそうではありません。

 確かに野球に関する動きはキャッチボールも素振りも、何かちょっとぎこちない。でも例えば「スキップやってみよう」とやらせれば、ものすごく体のバネがありますし、素振りでもスイングスピードがやたら速かったり、力強さがあります。身体能力が高く、体に強さがあるので、正しい指導を受けたら、日本でも通用するようになるのではないか、と感じました。ナショナルチームもまだ発展途上ではありますが、タイは素材の宝庫だと思います。環境を整えてあげたら、野球だってタイで盛んになるはずです。

 言葉の壁はありますが、残りの2日間も自分の引き出しの中から個人個人に合った指導が出来ればと思っています。子どもたちが少しでも技術的にうまくなれるよう、頑張ります。

ジャイアンツアカデミーの田中大二郎コーチが、東南アジアのタイ王国を訪れ、野球指導などを行いました。今回の指導は、読売新聞社と独立行政法人国際協力機構(JICA)が実施する「世界の野球グローブ支援プロジェクト」に対する、読売巨人軍による協力の一環です。2月26日から7日間にわたる現地滞在で、田中コーチが見たもの、感じたことを「タイ野球紀行」として、6回にわたってコラムで紹介します。