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COLUMN
連載

北之園隆生が行くスリランカ野球紀行

野球ができる環境に感謝

 いよいよスリランカでの指導最終日を迎えました。今朝は早くからディアガマ球場へ向かいます。コロンボでは道の数が少ないらしく、同じ道路をみんな利用するので、かなりの渋滞に……。

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練習を重ね、内野守備もさまになってきました


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最後にベースランニングリレー


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転んでユニホームに穴が……


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スリランカ学生野球連盟理事長から
ゾウのTシャツをいただきました


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こわもての運転手さん
国内移動でお世話になりました

 ようやく球場に着くと、マリンドゥさんとクラブチームの選手が、既に昨日やった練習をして待っていました。その光景を見て、JICA隊員のみなさんは「昨日のメニューをくり返して練習するのはスリランカではマリンドゥさんしかいない。他の指導者も来て学んでほしいのに」と話していました。なかなか短期間では変わらないと思いますが、根気強く他の指導者の意識改革を頑張ってほしいです。

 この日の指導では、中学生に加え、大学生が参加しました。ウォーミングアップ後に、前日指導したひじ・手首の使い方や「クルッとスロー」を復習しました。また、グラブの使い方も説明。グラブが体から離れているのを引きつけるようにアドバイスしました。みんなで復習をしている時はひじの使い方が良くなっていても、普通にキャッチボールを始めると投げ方がぐちゃぐちゃになってしまう子が……。諦めずに、今後も僕が教えた練習を続けてほしいと思いました。

 キャッチボール後はティーバッティング、外野ノック、内野ノック、トレーニングの4種目をローテーションで行いました。

 ティーバッティングでは前に歩きながらスイングする「ウォーキングスイング」を行い、体重移動に気をつけるよう説明しました。外野ノックでは、落下地点を把握する練習として、おなかの前でボールをキャッチする練習を。トレーニングでは、「スリランカ人は細かくステップできる人が少なく、足を素早く動かせないから敏しょう性を高められるものをやってほしいと」というリクエストがあり、二人一組になり一人がボールを投げ、一人がサイドステップをしながらボールを捕球するメニューなどを行いました。内野ノックでは、捕球姿勢の確認、そして打球への入り方を指導しました。

 バッティングよりも内野守備の強化をしてほしいとのことで、僕は内野ノックに付き細かく指導をしました。打球に対して正面に入って打球を追っていたので「少し横から見るとバウンドが見やすく捕りやすいよ」とアドバイスしました。またグラブを上から下に落とすように使っている子が多かったため、先にグラブを下におろした状態でボールを追うといいと伝えました。時間がたつと徐々にスムーズに動けるようになってきました。

 ローテ練習の後は、ベースランニング。オーバーランやベースの回り方を指導し、最後にはベースランニングリレーを行いました。2チームに分けると、人数が割り切れず、人数合わせで僕も走ることに……。最近走ることがあまりなかったので不安を抱えながら走り始めると、その不安は的中、見事に転びました(笑)。ベースランニングリレーはみんなで盛り上がり、このスリランカ指導の中で一番の思い出になりました。

 指導後に僕からジャイアンツのユニホームをプレゼントすると、スリランカの学生野球連盟の理事長さんからTシャツを頂きました。

 コロンボの指導では、他の都市よりは道具も充実していて一人1個のグローブもあり、また野球場など環境が整っていました。野球のレベルも他の都市よりも高く、環境によってレベルも変化することを実感し、もっと他の都市にも道具が行き届き、野球がしやすい環境になってほしいと願っています。そして、日本のみなさんにはこのような現状があることを知っていただき、「道具がある」ということに感謝の気持ちを持ってほしいと思いました。

 今回スリランカに来たことで、どれだけ日本の環境が整っていて、自分がやりたいようにやれ、これまで自由に生きてきたのかを痛感しました。「自分には○○がない」「○○が足りない」など、無いものばかりに目を向けてしまっていましたが、いまの自分にあるものや、足りている部分に目を向けることも大事だと思いました。また、日本では「○○しなければならない」「○○すべき」など、固定観念に縛られていることが多いと思いました。日本の常識がスリランカでは常識でなかったり、良い意味で時間にルーズなところもあり、自分の考え方が広がり価値観が変わりました。

 現地の隊員たちは、野球の練習をする際に子どもが来てくれるだけでうれしいと言っていました。スリランカの子どもたちには目標となる大会やプロのリーグなどもなく、何で野球をやるんだろうと考えることがあるそうです。そう考えてしまう隊員たちも、僕も感じた事は一緒で、素直に「野球が好きで楽しい」から来るのではないかと思うのです。そして、そういった子どもたちに野球のしやすい環境を作ってあげたいと感じました。日本でもこういった、野球が好きな子どもたちが増えてくれるとうれしいです。

 最後までコラムを読んでいただきありがとうございました!

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JICA隊員のみなさん、マリンドゥさん、大変お世話になりました