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2011年12月

チーム

2011.12.18

【連載・センカンドルーキー】(3)深田拓也・ジャイアンツアカデミーアシスタントコーチ

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ボールキャッチの指導にあたる深田コーチ


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ゲームに勝てば児童とともにガッツポーズで喜ぶ


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ボール手に校庭を駆ける深田コーチ

 「先生、上手にボールキャッチ出来たよ」――。11月29日に世田谷区の等々力小学校で行われた3年生の体育の授業。ボールキャッチとは、軟式球より柔らかいポリウレタン製のボール(ティーボール)を頭上に投げ、拍手をしたり、体の部位をタッチしたりした後、落ちて来るボールをキャッチするという練習だ。校庭のあちこちで緑色のティーボールが宙に舞い、うまく捕球できた子供たちから歓声が次々と上がった。

 指導するのは、ユニホーム姿のジャイアンツアカデミーのコーチ陣。ボールが舞う輪の中、1年目の深田拓也アシスタントコーチは駆け寄って来た児童の頭をなで、目を細めていた。

 同アカデミーは、幼児から小学生までを対象に、平日の午後に野球を教える通年制スクール。2006年の開校以来培ってきた指導のノウハウに、都内の各教育委員会などが賛同し、今年からはゲストティーチャー(外部指導員)として世田谷区の小学校など都内18校で、野球型運動競技(ティーボール)の授業を持つ。

 深田コーチは、150キロに迫る直球を評価され、05年の大学・社会人ドラフトで6位指名を受けて入団。翌06年11月に行われた日米親善野球では、米大リーグでこの年に本塁打、打点の2冠を獲得したハワード選手(フィリーズ)から三振を奪い、2年目には二軍の開幕投手を任されるなど期待された。しかし、持病の肩痛に悩まされ、10年に引退。未練はあったが、「いつかは指導者になりたい」との思いがあり、今年からアカデミーのアシスタントコーチに就任した。

 選手時代にマウンド上で見せた、闘志あふれる表情からは一転、指導の時は柔和な笑顔を浮かべ、児童には「優しいお兄さん」そのものだ。この日も、「怖い」「痛そう」と当初は敬遠気味だった女子児童たちに、徐々に難しい課題を与えて授業に引き込み、練習後には「次回の練習が今から楽しみ」と笑顔まで引き出した。この様子を見守った同校の加藤愛子先生(30)も、「わくわくさせながら野球に夢中にさせる術は参考になります」と見事なコーチぶりに太鼓判を押すなど、就任から1年がたち、指導する姿も板についてきた。

 当初は幅広い年齢層の生徒に、「発育の段階に合わせて指導内容や接し方を変えなくてはいけないので戸惑った」というが、子どもたちの懐に積極的に飛び込み、コミュニケーションを取ることを心がけた。しばらくすると、向こうから試合結果を報告して来たり、プレーの質問をしてきたりと変化が生まれてきた。「一番印象に残っているのは、ゲッツーの練習で失敗ばかりしていた生徒を、周りの生徒が応援し、ついに成功した瞬間。クラス全員がガッツポーズで喜んでくれて、指導者の醍醐味を知った気がした」とやりがいも見つけた。

 冒頭の体育の授業でも「多くの子供に野球の楽しさを知ってほしい」という一心が、初対面の子どもの心を開き、野球の魅力に引き込んだ。楽しくて始めた野球だったが、プロの舞台では肩痛で楽しむことを忘れがちだった。子どもたちに野球の楽しさと、けがをしない体の使い方を教えたい。座右の銘は、現役時代に出会った「no rain, no rainbow(雨が降らなければ虹は出ない、から転じて、苦しい努力があるからこそ、目標を達成した時の喜びが一段と増すという意味)」という言葉。第2の人生で鮮やかな虹をかけるべく、野球にかけた情熱を子どもたちに注ぐ。
(広報部 森田聡)

◆深田 拓也(ふかた・たくや)◆
1983年4月23日生(28歳)
静岡高―中京大―巨人(2006~10年)
通算成績15試合、0勝、0敗、防御率8.03

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