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2010年12月

その他

2010.12.31

「球団職員の365日」 (8)総務人事部 内田志範部員

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    熱い志を持った若者との出会いを心待ちにする内田部員

 読売巨人軍では一般公募で職員を募集しており、私はその採用に関する仕事を担当しています。

 今年の最終面接の日、がちがちに緊張しているのが傍目からでもわかる若者がいました。面接会場の扉の前に立ってもうつむいたままで、少々 心配になりましたが、再び顔を上げた時は、腹を固めた全く別人の顔に変わっていました。数日後、その若者は内定者のひとりになっていました。

 扉の前で何を考えていたのかはわかりません。しかし、私の経験から確かに言えるのは、多くの失敗を乗り越え、後悔を味わった者でなければ、あの表情を得ることはできないということです。入社後の活躍が今から楽しみでなりません。

 多くの若者から「球団職員になるにはどんな準備をすればいいのですか」と尋ねられます。答えは色々あると思いますが、必ず「硬球を触ってみてほしい」と話します。その硬さと重さに驚くと同時に、そのボールを150キロ以上の速さで投げ、100メートル以上打ち返すのが、プロ野球選手だと改めて認識してほしいからです。そして、当たり所が悪ければ、一生を棒に振るかもしれないという危険と隣り合わせでいながら、チームのため、そしてファンのために、恐れずボールに向かう選手たちに敬意を持ってほしいのです。

 「スポーツビジネスをしたい」という言葉もよく聞かれますが、私は少々、違和感があります。その言葉に選手への敬意は込められているのか、敬意なくして“ビジネス”という言葉を安易に使ってほしくない、とさえ思うのです。選手への敬意を払うこと、これが球団職員になるための最初の準備だと思います。
  
 東京ドームをはじめとする巨人軍主催試合の入場者数は、年間約300万人です。日本の人口は約1億2600万人ですから、全国民に巨人軍の主催試合を見てもらうには、単純計算で42年かかります。

 巨人軍が創立された1934年の42年後の1976年は、長嶋茂雄・終身名誉監督が、監督として初めてリーグ優勝を果たし、王貞治さんがベーブ・ルースの記録を越える715号本塁打を放った年です。その間に、天覧試合やV9を経験し、巨人戦の勝敗が翌日の職場や学校、街の話題の中心になりました。それから34年がたった2010年、価値観の多様化という言葉を耳にすることが多くなった時代だからこそ、できる仕事もあると思います。若手選手が出演する女性限定のディナーショーの開催など、球団が創立された時代には想像できたでしょうか。

 球団職員になるということは、仕事を通じて、10年、20年と時を重ねながら、巨人軍の歴史を一緒に刻んでいくということです。私は常に「仕事ができる喜びを自覚しよう」と心がけていますが、野球と同じで、打率10割という仕事は残念ながらありません。それでも打席に立たなければ、三振もホームランもないように、仕事も自ら動かなければ失敗も成功もありません。どんなに辛いことがあっても、次の打席に立ち続ける、一緒に巨人軍を支えて行きたいと思える、そんな熱い初志を持った若者に出会いたくて、きょうも仕事に向かいます。
(総務人事部 内田志範)

 おわり