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2011年12月

チーム

2011.12.28

【連載・セカンドルーキー】(4)三澤興一・スコアラー

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多彩な変化球と抜群の制球力で活躍


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ドームの歓声を背にチームのピンチを何度も救った

 バックネット裏からグラウンドに鋭い視線を注ぐ。投手の指から放たれる1球ごとに球種、コース、球速などをチェック。打者がボールをはじき返せば、打球方向や、打球の質に加え、試合の詳細をパソコンに入力する。チームの目となり、頭脳となり、打者の苦手なコースや、配球パターンなど、攻略の糸口を探す。野球のエリート街道を歩んできた三澤氏が、第2の人生に選んだのは、スコアラーだった。

 帝京高時代には1992年の春の甲子園を制するなど4度甲子園に出場し、早大でも31勝をマーク。96年のドラフト3位で巨人に入団すると1年目から一軍で活躍し、ヤクルト、米独立リーグなどで14年間マウンドに立ち続けた。限界を感じつつあった昨夏、古巣から打診を受け、スコアラーの道を歩み始めた。

 スコアラーは、自チームに付いて分析するチーム付き、相手チームの試合を視察し分析する先乗り、映像の分析・解析を行うデータ・映像班の3種類に分かれる。三澤氏は今季、先乗りスコアラーとして全国各地を奔走した。2月は各球団の春季キャンプの視察に回り、新戦力の報告書を作成。3月のオープン戦では開幕戦に向けたデータを集めた。

 慣れないパソコンでの作業に、最初は失敗の連続。「パソコンにデータを打ち込む事に必死で、試合の内容を把握できなかった」と振り返る。試合後も、すぐに宿舎に帰り、データの分析と資料作りに追われる。報告書は6試合ごとにまとめて提出するが、提出期限が迫ると眠れない日々が続く。「もっと良い資料ができないか」。不安で寝られず、パソコンに映るデータを様々な角度から分析していく。大半の作業を一人で行うため、孤独感に苛まれるが、過酷な状況を乗り越えて資料を作り上げた時は、大きな達成感と満足感を得られた。

 作成した資料は、メンバー分コピーしてミーティングで報告。緊張の中で迎えた初めてのミーティングでは、「資料作りに精一杯になり、分析が浅かった」と課題が残った。

 各種のデータを詰め込んだ資料は、500ページを超えることも。「膨大なデータを、どうすれば選手に活用してもらえるか」。悩んだ末に、自分がユニホームを着ていたころを思い出した。「全てを伝えても混乱するので、欲しい情報の要点を的確に伝えよう」。ただし、選手の不安を速やかに取り除けるよう、自分は全てのデータを把握し、質問には即答できるように準備している。

 スコアラーを1年続け、チームを陰から支えることのやりがいも見つけた。「僕たちのデータで、試合前に選手を優位に立たせてあげたいし、自分の分析がハマって勝った時はホッとする。選手には僕たちをうまく使ってもらって、1年でも長い現役生活を送ってほしい」。そう熱っぽく語る時の眼差しが、現役時代の勝負師の目にかぶって見えた。
(広報部 上野裕平)

◆三澤興一(みさわ・こういち)◆
1974年6月8日生(37歳)
帝京高―早大―巨人(1997~2001年)―近鉄(01~03年)―巨人(04年)―ヤクルト(05~06年)―中日(07年)―米独立リーグ(08~09年)
通算成績296試合、28勝、18敗、6セーブ、306奪三振、防御率3.98

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