海だけじゃないスバらしい国・フィジー

 ブラー(こんにちは)。フィジーでの最終日を迎えました。毎日書いてきたコラムも最終回。フィジーでの生活は本当に刺激的で、1週間があっという間でした。

全ジャパンvs全フィジー、プレーボール!

 前日で練習は終了、この日は全ジャパン対全フィジーの国際親善試合です。全ジャパンのメンバーはフィジー在住のJICAの隊員や日本大使館で勤務されている方を中心に、総勢30人ほどが集まりました。フィジーでこんなに多くの日本人が活動されていることを知りました。  全フィジーのメンバーは、U-15の選手を中心に、オーバーエイジも加わったチーム構成。この親善試合は過去2回、2か月ごとに行われており、1勝1敗の対戦成績だそうです。僕も選手として全ジャパンチームで試合に参加しました。試合は全ジャパンが勝利しましたが、恥ずかしながら全く活躍できず、子どもたちにいいところを見せることができませんでした……(涙)。しかし約1年ぶりの試合はとても楽しかったです! こんな純粋に野球を楽しんだのはおそらく小学生時代以来なのではないかと(笑)。フィジーの子どもたちには、本当に野球の原点だったり楽しさだったりを思い出させてもらいました。なんとか泣かずに笑顔で終われました。

僕も選手として出場。成績は聞かないで

 試合後には会場のごみ拾いをみんなで行いました。フィジー人はごみをその辺にすぐ捨ててしまう習慣があるようです。なぜかというと、フィジーでは木に生えているマンゴーやバナナなどを食べていて、食べた後その場に捨てても自然に還っていきます。そうやってフィジーではきれいな海や自然、生き物たちが育ってきました。  しかし今日では文明の進化によりプラスチック製のゴミが増えてきました。プラスチックは自然に還らないということをフィジーの子どもたちは知らずに生活をしてしまい、今まで通りどんなごみでもその場に捨ててしまうんだそうです。このままではフィジーのきれいな海や自然たちはどんどん無くなってしまう恐れがあるということで、フィジーの野球協会では子どもたちに「ごみはごみ箱に捨てる」と教育しています。このように野球の活動を通して、フィジーの自然保護にも貢献しようとするのはとてもすばらしいと感じました。

参加した全員で記念撮影

泣かずに笑顔でお別れできました

 フィジー最後のディナーは、今回の活動と試合の打ち上げとして企画されました。メニューは焼肉! やっぱり野球をした後は焼肉に限りますよね。フィジーでは焼肉ではなくバーベキューと呼びます。  お腹いっぱい食べた後は、かねてから希望していた、フィジー文化を体験。それは、木の根っこを擦りつぶし、粉末にしたものを水でといて作った液体「カヴァ」を飲む「ヤンゴナ」と呼ばれる文化です。フィジー人はこれを金曜の夜や土曜の夜に飲んで、ぐっすり寝るんだそうです。  現地の日本人の方に教えていただいた情報では、決しておいしくないし見た目も良くなく、飲んだ後は口の中やのどがしびれるということで、内心すごくドキドキしていました。しかし、フィジー人は「カヴァを飲みたい!」と言われれば、大歓迎で用意をしてくれるとのことで、今回、特にお世話になったイノケさんとタボさんは、僕が「ヤンゴナやりたい!」と言うと、とても喜んでくれました。  実際に飲んでみたカヴァは、フィジー人でも顔をしかめるほどの後味……。薄~い緑茶のような味で、渋みがあり、飲んだ後は口の中がピリピリとしびれる感じがしました。今回は10人くらいで3杯ずつ飲みましたが、フィジー人はこれを6時間(!)も続けるそうです。

フィジー文化「ヤンゴナ」を体験

 こうしてフィジーでの活動は終わりました。フィジーの野球に触れ、子どもたちに触れ、文化に触れ、本当にフィジーが大好きになりました。最初はバカンスのイメージでしたが、この1週間、そんなバカンス感は一度もなかったです……。それでも、フィジーという国がとてもすばらしい国(首都がスバだけに!)だということを知り、何よりフィジー人の温かさは最高に居心地良かったです!!

地元紙で今回の活動が紹介されました

 最後に今回の活動に携わっていただいた方々、たくさんの野球用具を提供してくださった方々、本当にありがとうございました。そして、このコラムを読んでくれた方で、もし使わなくなった野球道具がある方は、ぜひこの活動に協力をお願いします。ご提供いただいた用具の先には、世界中の子どもたちのキラキラした笑顔があります。そして子どもたちはいただいた用具をとても大切に使ってくれています。そんな子どもたちのために、今後も「世界の野球グローブ支援プロジェクト」に協力していただけたらうれしく思います!

 皆さん、6回にわたるコラムをご覧いただき、本当に本当にありがとうございました。ヴィナカー!!