元気いっぱいな子どもたち「早く指導したい!」

 アユボワーン(スリランカの公用語シンハラ語のあいさつ)! きょうは朝からJICA事務所へ向かいました。現地スタッフの方と合流し、スリランカに来てやっと人と会話ができてホッとひと安心(笑)。

JICA事務所を訪問

 田中総東所長からはJICAの活動内容や、スリランカの情報を話していただきました。お聞きした中で一番印象に残ったのが、スリランカの学校では授業として体育はあるものの、全て座学で体を動かす機会がないそうです。体を動かさない体育の授業なんて想像もできませんね……。  その後は企画調査員の駒走拓三さんから、現地での安全対策について簡単に講習を受けました。スリランカの治安は比較的は落ち着いているそうですが、デモや軽犯罪などが多く、観光客が多く集まる場所では気をつけるようにと言われました。また、仏教徒が多いスリランカでは「動物を愛護する」習慣があり、野良犬が非常に多いため、狂犬病流行地では犬にかまれる事がないよう注意されました。狂犬病の致死率は100%! さすがにビビりますが、万が一かまれても24時間以内にワクチンを打つことで発症する事はないそうです。  JICA事務所訪問後はスリランカ南部に位置する都市・ゴールまで約2時間かけて車で移動。高速道路を通ったのですが、なんと日本が支援し作られた高速道路だそうです! また、スリランカには野球道具を売っているスポーツ店がなく、約8割が寄付などの日本の支援で成り立っているという話も聞きました。実は、スリランカは世界で1番早く日本と正式な外交関係を結んだ国という事で、さまざまな場面で日本との関わりが深い国なんだそう。勉強になります。  ゴール周辺に着くと野良犬ばかりか、野良牛まで登場(笑)。ビルが並ぶスリランカ最大都市コロンボとはまた違った景色が楽しめました。

車で移動中、野良牛に遭遇

 まずは視察する大会の主催者である学校へ向かいました。スリランカの学校は小中高一貫で1年生から13年生(!)まであるそうです。訪問時は下校時間と重なってしまい、生徒があふれて大混雑。生徒人数を聞くと、なんと3000人! 多いところでは5000人規模になるそうで、その多さにびっくりです!!  試合を観戦してみると、選手のすぐ横で保護者が応援し、選手達と一緒に一喜一憂していました。仏教徒の世界では、年上の人を敬う風習や結果主義なところがあるそうで、選手よりも保護者の方が興奮していました。  実際に目にするまでは「外国の野球はのびのびと好きなようにやっている」イメージを持っていましたが、視察した大会会場では指導者らしき人が選手を怒ったりしていて、日本と似ているなと感じました。  試合が終わり、グランドが空くと子どもたちはすぐにグランドでキャッチボールを始めました。JICAの原田亮隊員がノックを打つと、「マイン! マイン!」と叫びながら、楽しそうにノックを受けていました。途中雨が降ってきても中断することなく、本当に楽しそうに野球をやっていて、元気いっぱいな子どもたち。野球が本当に好きなのが伝わってきて、この光景を見ているだけでうれしくなり、僕も早く子どもたちに指導したい、関わりたいと強く思いました。

野球大会を視察。保護者の方がヒートアップ

グラウンドにイグアナが乱入!

 みんなが「遊び」という練習が終わると、子どもたちが来てハイタッチとひざをついて一人ひとりにお礼を言われたのでびっくり! 見学しかしていないのに、なんて礼儀正しいのか。日頃のスクール生に見習らってもらいたいほどです……。  その後は、ゴールの旧市街へ。ここは白壁、赤い屋根が特徴的な街並みを石造りの城塞で囲まれており、1988年に世界遺産に登録されています。観光客がとても多く人気な観光スポットのようです。今日はこの世界遺産、ゴール旧市街のホテルで泊まります。世界遺産の場所に泊まれると思うと幸せです♪  夜はJICA隊員の方たちと食事に行きました。日常の活動について、活動への思い、またあすの指導内容についての話などをし、あっという間に時間が過ぎてしまいました。

JICA隊員とインド洋を眺めながら食事

 あす、やっと子どもたちへの指導がスタートします。目をキラキラさせながら野球をしている子どもたちに指導できるのがとても楽しみです。  また次回のコラムをお楽しみに!  北之園コーチのプロフィルはこちらから。