ジャイアンツジュニアは涙の準優勝!みんな頑張った!

 12球団のジュニアチームのナンバー1を決める「NPB12球団ジュニアトーナメントKONAMI CUP 2022」最終日の29日、神宮球場で行われた準決勝で、ジャイアンツジュニアは埼玉西武ライオンズジュニアと対戦し、4対3で逆転勝利しました。8年ぶりの優勝を狙った決勝戦は、同球場で阪神タイガースジュニアと対戦。決勝戦では大会初となる延長戦までもつれる白熱した試合でしたが、1対2とサヨナラ負けを喫し、準優勝となりました。  同日午前におこなわれた準決勝では、初回の攻撃で二死から3番・木村徳壱選手が粘りを見せて四球で出塁し、次打者の初球で盗塁を決めてチャンスを作るも得点に至りませんでした。  先発の大橋叡刀選手は、一、二回に安打を許すも我慢強く要所を締める投球で無失点に抑えます。  三回に連続安打などで2点を先制されましたが、直後の四回のジャイアンツジュニアの攻撃で、先頭の2番・川本琉生選手が安打で出塁、続く木村選手の送りバントが野選となり無死一、二塁のチャンスを作ります。そして4番・浅見蒼志選手がセンターオーバーの2点三塁打を放ち同点。さらに6番・昆野央宙選手のライトフライが犠牲フライとなり、3対2と勝ち越しに成功しました。  五回にもチャンスを作ると小出英人選手が適時打を放ち、4対2と点差を広げました。  その裏の守りでは、2番手で登板した鐘ヶ江勇人選手が死球と適時打で1点を返されましたが、120kmを超える速球で後続を抑えました。  午後に行われた阪神タイガースジュニアとの決勝戦では初回、ジャイアンツジュニアは1番・安藤名和哉選手がライトオーバーの二塁打で出塁し、送りバントで一死三塁のチャンスを作りましたが、先制点を取ることができませんでした。  先発の谷口琳太郎選手は初回、無死一、二塁のピンチを迎えましたが、ショート・昆野選手のファインプレーに助けられ無失点に抑えます。二回には先頭に二塁打を打たれ、ライトゴロの間に先制を許します。  しかし直後の三回の攻撃で、二死三塁から3番・木村選手のレフトオーバーの二塁打で同点に追いつきました。  その後は両チームとも走者を出すものの、得点に至らず六回が終了しました。決勝戦は大会規定でタイブレークではなく通常の延長戦が行われましたが、ジャイアンツジュニアは七、八回と走者を出すことができず無失点に抑えられました。  そして八回の守りは二死満塁のピンチとなり、タイガースジュニアの4番・石田修選手にセンターオーバーのサヨナラ打を許しました。  大橋選手とともに準決勝、決勝で登板した鐘ヶ江選手は「準優勝だったけれど、いつもより力を発揮できたと思います。みんなでつかんだ勝利で最高の仲間に出会えてうれしいです」と話しました。  試合後に行われたジャイアンツジュニア最後の終礼では、草野礼人主将が「最高の仲間と野球ができてよかった。一生の思い出になりました」と涙を流しながらあいさつをしました。  西村健太朗監督は「正直ここまで勝ち上がってくると思っていなかった。監督らしくチームをまとめることができたかどうか分かりませんが、16名の選手のおかげで決勝まで進むことができ、いい試合ができました。選手、保護者のみなさんありがとうございました」と涙を浮かべて話しました。  選手たちは、最後の最後まで集中して、あきらめずに粘り強く戦い抜きました。今大会、ワイルドカードによるきん差での決勝トーナメント進出や逆転勝利など、様々なドラマが生まれ、とても感動しました。  あと一歩のところで負けてしまい、とてもくやしいですが、負けたことで学ぶことがたくさんあったと思います。悔しい気持ちや、学んだことを忘れることなく、これからの中学野球に活かしてもらえればうれしいです。  チーム結成から約3か月間、声援を送っていただき、またこの連載を読んでいただき、ありがとうございました。

決勝戦の3回、同点打を放つ木村選手

試合後に選手たちに話す西村監督

(ジャイアンツジュニアマネジャー・北之園隆生=読売巨人軍野球振興部)