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COLUMN
連載

北之園隆生が行くスリランカ野球紀行

ボロボロのグラブも使用「力になりたい」

 きょうはコロンボからキャンディという都市まで約4時間の車移動です。スリランカの中部に位置するキャンディは、山々に囲まれ、自然豊かな景色が広がっていました。

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自然豊かなキャンディ


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突然の大雨、雨宿りしながら撮影


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真剣勝負前に投球練習、子どもたちは興味津々


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ネット用のひもで修理しながら
大切に使われていたグローブ


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ユニホームをプレゼントするとひざをついて
お礼を言われ戸惑いました


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「タワー」というサイズのビールにびっくり

 スリランカの交差点は信号がないところが多く、急発進・急ブレーキは日常茶飯事で、さすがに若干、車酔いをしてしました。でも、緊張感を持って長い時間運転してくれている運転手さんには感謝です。

 キャンディにあるラナビーマロイヤルカレッジという学校に到着。今の時期、学校ではスポーツ大会があるそうで、日本でいう「運動会」が1か月かけて行われていました。現地スタッフのJICA隊員さんたちの尽力で、そのスポーツ大会に野球も競技として加わったそうです!

 グラウンドが空き、指導の準備をしていると……。なんとボールが10球ほど、バットは4本しかありません。これから教える子ども達は約50人。1人1個のグローブもなく、どう指導していこうか悩みました。

 まずはキャッチボールで腕の使い方を良くするため、腰を意識する「クルッとスロー」を行いましたが、ボールが足りません……。そのため、6~8人で1組になりキャッチボールをしました。また、日本のように並んでキャッチボールをする習慣がキャンディの子どもたちにはなく、思い思いの場所でキャッチボールを始めてしまい、戸惑いました。それにグローブを持っていないので、素手でキャッチボールをしている子もいます。

 指示を出し、整列し直してキャッチボールを始めると、突然の大雨が降ってきて一時中断です。屋根の下での待機中、ボール遊びをし始めた子がいたので、ボールを上に投げて落ちてくるまでに何回手を叩けるかを勝負したりして過ごしました。

 そのうちに雨は弱くなりましたが、大雨だったためグラウンドが一部しか使えない状況になってしまいました。限られた場所で、コーチが投げたボールをキャッチする守備練習をしました。みんなキャッチは上手でしたが、捕球姿勢などの細かい指導をしたいと思っていたところ、また雨が降ってきてしまいました。

 その後、練習時間残り30分ほどのタイミングで雨はやみましたが、限られたスペースで何ができるか考えていると、隊員の方から「今後、元プロ野球選手がスリランカに来て野球を指導することはなかなかないことだと思うので、子どもと対戦してもらいモチベーションを上げてほしい」とリクエストがありました。

 昨日に続き、残り時間で子どもたちと真剣勝負をすることに。バッターとしては、きょうも良い当たりを子どもたちに見せることができました。ピッチャーを務めると、何本かヒットを打たれ、子どもたちは大盛り上がり! こうして指導2日目を終えました。最後は大盛り上がりで終えられたものの、雨で指導ができなかった事が切なく、「もっと一緒に野球をやりたいのに」ともどかしい思いでした。

 スリランカで指導をしていく中で、僕たち日本人に比べたら過酷な環境の中でも遊びとして野球を楽しんでいる光景、子どもたちの笑顔を見ていると、「本当に力になりたい」という気持ちになりました。日本でもグローブ等、用具の提供を呼びかけていますが、現地に来てボロボロのグローブでもキャッチボールをして目をキラキラさせている姿を目にし、多くの人にこの実態を見てほしい、知ってほしいと強く思うようになりました。

 夜はまた隊員の皆さんと食事へ。みんなお酒好きということで、「タワー」というサイズのビールを頼んでみると……なんと小型のビールサーバーが運ばれてきました(笑)! スリランカは砂糖税があるそうで、ジュースよりもビールの方が安いんだそう(!?)。うらやましいですね~。

 きょうは朝から移動が大変でしたが、キャンディも世界遺産に登録をされていて、この短い滞在期間中に2つも世界遺産に行けたことがうれしかったです。また、同じ場所だけで、子どもたちに指導するよりも、多くの人に野球を伝えられるので移動も苦になりません。

 あすはまたコロンボに戻り指導します。疲れが溜まってきていますが……若さで乗り切って元気に楽しく指導していきます!