「強い巨人軍を作る」 監督交代会見で阿部新監督が表明

2023.10.6

チーム

 読売巨人軍の監督交代記者会見が6日、東京・大手町の読売新聞東京本社で行われ、山口寿一オーナー、原辰徳監督、阿部慎之助新監督の3者が出席しました。  会見ではまず、山口オーナーが、原監督の功績を紹介。難しいとされる連覇をたびたび成し遂げたこと、WBCで優勝監督になったこと、2020年のコロナ禍でぶれずに練習を続けてリーグ優勝を果たしたこと――などを挙げました。また、原監督が「オーナー付き特別顧問」に就任することを発表しました。  阿部新監督については、「強い巨人にしていくことが求められている」と言明。背番号は原監督がつけていた「83」で、原監督の思いを引き継ぐとの意図があり、「阿部新監督の要望だった」ことを明らかにしました。阿部新監督が3年契約であることも明らかにしました。

原監督「晴れ晴れとしております」

 続いて、原監督があいさつし、まず、コロナ禍の日々を「人類が味わったことがない辛さのなか、流されることなく、前に進んだなあ、という記憶があります」と振り返りました。現在の心境については「一点の曇りもなく、晴れ晴れとしております」と述べ、「阿部新監督を応援し、成功を祈るばかりです」とエールを送りました。

阿部新監督「身の固まる思い」

 阿部新監督は立ったままで、抱負を述べました。  原監督の後任になることについては、「素晴らしい大監督からバトンを受け継ぐことになって、すごく身の固まる思いです」と厳しい表情を見せました。また、「コーチとして2年連続Bクラスという屈辱のなか、ファンの皆様にも残念な思いをさせてしまった。本当に引き受けていいものか」と自問自答したといい、「(引き受けたからには)強い巨人軍、愛される巨人軍を必ず作って、皆様に良い報告ができることを約束します」と決意を表明しました。

来年は「ABE」 「セプテンバー」に喜びを

 このあと、質疑応答に移り、時折、原監督と阿部新監督の掛け合いが見られました。    阿部新監督が「私が二軍監督だった時、(原監督に)ご指導いただいて・・・」と話し始めたところ、原監督が「一回、怒ったことあったね」と割って入りました。当時の阿部二軍監督が背中を椅子の背につけて試合を見ていたことがあり、原監督は「僕は1回も背中をつけて試合を見たことないよ。俺は、1試合1試合が行(ぎょう)だと思っているよ。それを、あんたもやりなさい」と言ったそうです。阿部新監督は当時のことを覚えていて、「永遠に修行だ、行だと、自分の胸にしっかり刻んでいる」と述べました。  原監督が投手交代の時に見せる仕草・態度について、阿部新監督が話し始めると、原監督が「あれね、笑顔で告げている時は、結構きついこと言っているの。笑顔じゃない時は優しいことを言っている。そこを使い分けるようになるといい」と、またしても口をはさみ、阿部新監督は「お前さんは、笑顔で選手を怒れるようになったら一人前だ。それを目指してなさい」と言われたことを語りました。  背番号83については、原監督が「最終戦の前ですかね、監督室にきて『83にしたい』と言われてうれしかった」と振り返り、阿部新監督は「恐れ多かったが、笑顔でこたえていただけた。8と3、原監督、長嶋さん、というすごく大きな背番号だと思っています。意を決して、原監督に(継承を)お願いしたところです」と、選んだ理由を明らかにしました。  阿部新監督は来シーズンについて、「優勝という言葉を自分でも意識して、口に出していこうと思っています。勝ちにどん欲になって、勝ち星を重ねていきたい。優勝を知らない若い選手に勝つ喜びを感じてもらいたい。喜びを『セプテンバー』に味わえればうれしいです。本年度は(阪神の)『ARE』で盛り上がっていますが、来年度は『ARE』ではなく『ABE』でいきたいと思います」と決意を述べました。