マニラの野球アカデミー、コーチには巨人OBの姿が

 ダバオ野球教室の前後の日程で訪れたのは、フィリピンの首都・マニラで運営されている「Millile+63 Samurai Baseball Academy」(以下、ミライル)でした。このアカデミーは、週3回、通年で開設される会員制の野球スクールで、コーチには巨人軍元投手の柴田章吾さん(30)が加わっています。今回の渡航決定後、柴田さんから「ジャイアンツのユニホームをフィリピンの子どもたちに見せてあげてほしい」と依頼を受け、今回、野球指導が実現しました。

ボールの握り替えとステップの仕方を教える北コーチ

 ミライルを訪れたのは、北篤(ファン事業部)と木村正太(スコアラー室)の2人。午後5時、学校を終えた小学生低学年から高学年までの約40人が集まると、グラウンド脇に用具を並べ、すぐさまウオーミングアップを指揮する柴田さんの元へと集合します。「すごくテキパキと動いている」と感心したのは北コーチ。それもそのはず、ジャイアンツアカデミーでの指導経験もある柴田さんが携わっているとあって、日本で培った指導方法がマニラの子どもたちに浸透していたのでした。

デモンストレーションで鋭い打球を飛ばす北コーチ

 木村コーチは全力でプレーする子どもたちに「スピードやパワーは日本の小学生と変わらない」と感心。特にバットスイングは鋭く打球の飛距離も大人に負けず劣らずでした。一方で、ゴロ捕球のステップやベースの回り込みなどではミスも多く、細かな野球の技術はまだまだ浸透していない様子。「小学生だと実力は同じでも中学、高校と学年が上がった時には、大きな力の差になる。基本動作をしっかり覚えることが大事だよ」と送ったアドバイスには熱がこもり、子どもたちも大きくうなずいていました。

走塁練習では、脚力自慢の子どもたちが 元気にダイヤモンドを駆け回りました

 バスケットやバレーボールが人気のフィリピンでは、首都のマニラでも野球用具の確保がおぼつかないとあって、練習前にはジャイアンツの選手が練習で使った硬式球120球(10ダース)をプレゼント。また会うときには更に成長した姿を見せると約束し合う子どもたちでした。

ボールをプレゼントし、記念撮影